解説
She is in the music club. の She と、This is her umbrella. の her は、どちらも同じ女の子を指しています。同じ人なのに、文の中のどこに置くかで形が変わるんですね。形の一覧と、どの形をどこで使うのかを、例文で順に確かめていきます。
はじめに 人称代名詞は役目で形が変わる
人称代名詞は、I や you や he のように、人やものを指す言葉です。同じ人を指していても、文の中での役目によって形が変わります。
まずは、ユズという女の子についての4つの文を見てください。
- She is in the music club. (彼女は音楽部に入っています。)
- This is her umbrella. (これは彼女のかさです。)
- I often help her. (私はよく彼女を手伝います。)
- This umbrella is hers. (このかさは彼女のものです。)
4つとも同じユズの話ですが、she、her、her、hers と形が変わっています。この形の変わり方と、どの形をどこで使うかが、この単元のテーマです。
1形をまとめた表 「〜は・〜の・〜を・〜のもの」を横に覚える
今日見ていくのは、「〜は」「〜の」「〜を」「〜のもの」の4つの形です。この並び順のまま、表にして覚えます。
〜は | 〜の | 〜を | 〜のもの | |
|---|---|---|---|---|
私 | I | my | me | mine |
あなた(あなたたち) | you | your | you | yours |
彼 | he | his | him | his |
彼女 | she | her | her | hers |
それ | it | its | it | (今日は使わないので空らん) |
私たち | we | our | us | ours |
彼ら・彼女ら・それら | they | their | them | theirs |
まずは1行目の I、my、me、mine を、横に4つまとめて声に出してみてください。ほかの行も同じように、左から順に言えるようにしておくと、テストで形を選ぶときに迷いません。
表の中には、同じ形が2回出てくる行があります。
- あなたの行は、「あなたは」も「あなたを」も同じ you です。
- 彼の行は、「彼の」も「彼のもの」も同じ his です。
- 彼女の行は、「彼女の」も「彼女を」も同じ her です。
彼の行は「〜の」と「〜のもの」が同じ his、彼女の行は「〜の」と「〜を」が同じ herです。同じ形が出てくる場所が、彼と彼女でずれているところに気をつけてください。
それの行の4つ目は、今日は使わないので空らんにしておきます。they は、2人以上・2つ以上の人やものを指す言葉です。
4列目の「〜のもの」を縦に見ると、この表では mine のほかは yours、his、hers、ours、theirs と、最後が s で終わっています。
2〜は と 〜を 主語には「〜は」の形、動詞・前置詞のすぐ後ろには「〜を」の形
ふつうの文で最初に来る「〜は」「〜が」のところを主語といいます。主語には、「〜は」の形を使います。
一方、know や like のような動詞のすぐ後ろに、代名詞を1語で置くときは、「〜を」の形を使います。この「〜を」の形を目的格といいます。
- I know him well. (私は彼をよく知っています。)
know(知っている)という動詞のすぐ後ろなので、he ではなく him です。know や like のような動詞のすぐ後ろには、目的格を使います。
気をつけたいのは、日本語で「が」がつく文です。
- We all like her. (私たちはみんな、彼女が好きです。)
日本語では「彼女が」ですが、英語では like という動詞のすぐ後ろなので her になります。日本語の「が」につられて、she にしないようにしてください。
目的格は、「〜を」だけでなく「〜に」の意味になることもあります。
- Please call me tonight. (今夜、私に電話してください。)
もう1つ大事なのが、with や for のような言葉です。これを前置詞といいます。前置詞のすぐ後ろに代名詞を1語で置くときも、目的格を使います。
- Can you come with me? (私といっしょに来てくれますか。)
- This cake is for them. (このケーキは彼らのためです。)
with の後ろだから me、for の後ろだから them です。主語は「〜は」の形、know や like のような動詞や、前置詞のすぐ後ろは「〜を」の形と、置く場所で形が決まります。
3〜の と 〜のもの 「〜の」の後ろには名詞、「〜のもの」は1語でまとまる
「〜の」の形と「〜のもの」の形も、まちがえやすいところです。次の2つの文をくらべてください。
- This is my notebook. (これは私のノートです。)
- This notebook is mine. (このノートは私のものです。)
言っていることはほとんど同じですが、上の文の my の後ろには notebook という名詞が来ています。この「〜の」の形を所有格といいます。所有格は、後ろに必ず名詞がくっつきます。
下の文の mine は、my notebook(私のノート)という2語を、1語にまとめた形です。mine のような「〜のもの」の形の後ろには、名詞を置きません。
彼の行の his は、「彼の」と「彼のもの」が同じ形でした。どちらの意味かは、後ろに名詞があるかどうかで見分けます。
- This is his cap. (これは彼の帽子です。)
- That cap is his. (あの帽子は彼のものです。)
上の文は後ろに cap があるので「彼の」、下の文は後ろに名詞がないので「彼のもの」です。
最後に its です。
- Look at that bird. (あの鳥を見て。)
- Its wings are blue. (その羽は青いです。)
この its は「それの」という意味で、つづりは i・t・s です。アポストロフィはついていません。アポストロフィがつく it's は、it is を短くした形で、its とは別の言葉です。
まとめ 置く場所と、後ろに名詞があるかで形を選ぶ
人称代名詞は、表で形を覚えてから、文の中で置く場所を見て形を選びます。
表で4つの形を覚える → 主語なら「〜は」の形 → 動詞(know・like など)・前置詞のすぐ後ろなら「〜を」の形(目的格) → 後ろに名詞が来るなら「〜の」の形(所有格) → 1語でまとめるなら「〜のもの」の形 → its(それの)と it's(it is)は別の言葉
テストでよくある間違いは、動詞(know・like など)や前置詞の後ろに「〜は」の形を入れてしまうことです。代名詞を書く前に、そこが文のどこなのかを見るくせをつけておきましょう。
形の選び方のまとめ
置く場所 | 使う形 | 例 |
|---|---|---|
ふつうの文の主語 | 〜は | She is in the music club. |
動詞(know・like など)のすぐ後ろ | 〜を(目的格) | I know him well./We all like her./Please call me tonight. |
前置詞(with・for など)のすぐ後ろ | 〜を(目的格) | Can you come with me?/This cake is for them. |
名詞の前 | 〜の(所有格) | This is my notebook./This is his cap. |
1語で「〜のもの」を表す(後ろに名詞なし) | 〜のもの | This notebook is mine./That cap is his. |
用語のまとめ
用語 | 種類 | 意味 |
|---|---|---|
人称代名詞 | 文法の用語 | I・you・he のように、人やものを指す言葉。文の中での役目で形が変わる |
主語 | 文法の用語 | ふつうの文で最初に来る「〜は」「〜が」のところ |
目的格 | 文法の用語 | 「〜を」の形。know や like のような動詞や、前置詞のすぐ後ろに置く。「〜に」の意味になることもある |
所有格 | 文法の用語 | 「〜の」の形。後ろに必ず名詞がくっつく |
前置詞 | 文法の用語 | with や for のような言葉。すぐ後ろの代名詞は目的格 |
mine | 語形 | 「私のもの」。my と名詞の2語を1語にまとめた形で、後ろに名詞を置かない |
him | 語形 | he の「〜を」の形(彼を) |
them | 語形 | they の「〜を」の形(彼らを・彼女らを・それらを) |
its | 語形 | it の「〜の」の形(それの)。アポストロフィはつかない |
it's | 語形 | it is を短くした形。its とは別の言葉 |
よくある間違い
動詞のすぐ後ろに「〜は」の形は置きません。 know の後ろなので him です。
- × I know he well.
- ○ I know him well.
日本語の「が」につられないようにします。 「彼女が好き」でも、like の後ろなので her です。
- × We all like she.
- ○ We all like her.
前置詞のすぐ後ろも「〜を」の形です。 「〜は」の形も、名詞をつけない「〜の」の形も入りません。
- × Can you come with I?
- ○ Can you come with me?
- × This cake is for their.
- ○ This cake is for them.
mine の後ろに名詞はつけません。 名詞をつけるなら my です。
- × This is mine notebook.
- ○ This is my notebook.
「それの」は its です。 it's は it is の短い形なので、「それの」の意味では使いません。
- × It's wings are blue.
- ○ Its wings are blue.
プリントと動画で確認しよう
このテーマの単語テストと問題集は、下のボタンからダウンロードできます。どちらも答えと解説がついています。
I・my・me・mine の表と使い分けを例文といっしょにもう一度確かめたいときは、アニメーション編の動画を見てください。
重要語句 人称代名詞、所有格、目的格、mine、主格